三大宗教のひとつに数えられ、アメリカ大陸やヨーロッパに信者が多い「キリスト教」。食事に関しては比較的自由で、食事制限がほとんどない点が特徴です。それでも一部の宗派においてはタブーとされるポイントがあります。禁止事項や接客のポイントを確認しておきましょう。
キリスト教には食のタブーがほとんどありません。信仰する民族・国家が幅広いため、キリスト教全体で統一的に禁止している事項はなく、基本的に信者は個人の好みに合わせて自由に食事をしています。
そのため他の宗教に比べると特別な対応をする必要がなく、日本の飲食店でも普段どおりのメニュー・接客でもてなすことができる場合が多いといえるでしょう。
一方で、肉類やアルコール、カフェイン入りの飲み物を禁止する宗派も存在します。少数派ではありますが、念のため事前に確認しておくと安心です。
またローマ・カトリック教会や東方正教会には断食や食事制限(主に肉類・アルコール類など)を一時的におこなう習慣があります。時期によっては食事への配慮が必要になる点も、念のため覚えておくとよいでしょう。
菜食を主義とするセブンスデー・アドベンチスト教会の信者は、肉食全般を避ける傾向があります。肉・魚・卵をはじめ、動物の脂肪分でできた油や動物の肉・骨を使ったエキス・出汁にも気をつけましょう。バター、ラード、牛脂、ゼラチン、ブイヨンは使用せず、植物性の油や出汁で代用してください。
モルモン教ではアルコール類の摂取を禁止しています。飲み物としてのアルコールだけでなく、料理酒、みりんなどのアルコール入りの調味料や、デザートに含まれるリキュール、香りつけに使用するワインなども対象になるため、料理を提供する際にも注意が必要です。
カフェイン入り飲料も、モルモン教においては禁忌とされています。コーヒー・紅茶に加えて日本茶・緑茶もカフェインを含むため、食中・食後のドリンクはミネラルウォーターにするなど配慮できるとよいでしょう。
<ローマ・カトリック教会>
「四旬節」と呼ばれるイースター(復活祭)の直前の期間に断食する習慣があります。期間中の最初の水曜日「灰の水曜日」と最後の金曜日「聖金曜日」が断食の実施日です。断食日には、18 歳以上 60歳未満の健康な信者が食事の量・回数を制限する「大斎」と、14 歳以上の健康な信者が肉食を控える「小斎」がおこなわれます。
<東方正教会>
「斎戒」という食事制限があります。斎戒には年に4回程度おこなう長期間のものと毎週水曜・金曜に1日間ずつおこなうものがあり、斎の種類にもよりますが、期間中には肉・魚・卵・乳製品、アルコール、オリーブオイルを控えます。修道院などの厳格な信者以外はゆるやかに実施する食事制限です。
イースターやクリスマスなど、キリスト教の宗教行事が世界各地でおこなわれています。七面鳥を使ったメニューや卵料理、お菓子やデザートを食べてお祝いするのが一般的です。
一般的に、食前・食後には神への感謝の気持ちを込めて祈りをささげる風習があります。多くの信者に共通する食事のマナーです。
食事制限が少ない宗教とはいえ、一部の宗派には菜食を基本とする人や嗜好品を避ける人がいます。
食べられるものと食べられないもの、飲めるものと飲めないもの、ベジタリアンかノンベジタリアンかの区別は事前に把握しておきたいところです。できるだけ個別に対応できるように準備しておきましょう。
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