CAN EATとカゴメ株式会社がコラボし、人の味覚や新しい食の楽しみ方に関する研究を続けている「味覚研究ラボ」。これまで全4回にわたって味覚研究ラボのメンバーがコラムを執筆しておりましたが、ありがたいことに数多くの反響があり、第5回を掲載することとなりました。今回のテーマは「好みの味の濃さを知ることによる変化」です。
<紹介してくれた人>
味覚研究ラボ員 徳川さん
過去4回のコラムでは、味覚研究ラボで開発中の「味覚嗜好測定キット」を活用しながら、「人によって好みの味付けが異なり、自分の好みに近づけることで食事がより楽しくなるのではないか」という問いを立てて検証を実施してきました。
今回は、”好みの味の濃さを知ることによる変化”に着目しました。これまで活動を続ける中で味覚研究ラボに寄せられた、”味の濃さに関する不満”や”好みの味の濃さを知ったことで起きた変化”に関する声を紹介します。
※味覚嗜好測定キットとは、味付けの異なる複数のポップコーンを食べて好みを入力するだけで、独自アルゴリズムにより「自分の好みの味の濃さ」が測定できるキットです。味覚研究ラボ#1〜4でも使用しました。
■味の濃さに関する世間の声
まずは、この活動を続ける中で出てきた、ラボメンバー、社内メンバー、一般消費者の方からの味の好みに関する不満の声を紹介していきます。
<ラボメンバーによる意見だしの様子(1)>
○市販の加工食品や外食のお店の味付けが濃い
「インスタント食品の味の濃さは不健康な印象があり罪悪感が強い」
「子どもに市販品を与えると濃い味付けに慣れてしまうのではないかと不安になる」
「近くのレストランは味が濃く塩分も高く、すぐに飽きてしまう。自由に調節できたらいいのに」
⇒購入した食品の味が濃くて食べられなかったら、残りはどうしよう、と落ち込んだ気分になってしまいますよね。せっかくなら自分の味の濃さに合ったものを選んで楽しみたいものです。
○一緒に暮らす人と味の好みに差がある
「家族に食事を作るときは誰の好みに合わせるべきか悩ましい」
「旦那の実家の味付けが濃いため、子どもを連れて旦那の実家に行くのが憂鬱になる」
「姑の健康を気にして薄味の料理を作っているが、勝手に味を濃く調整されてしまう」
⇒同じ食事をとる人と好みが分かれると、どちらかが我慢しなければならず大変ですよね。私も父が濃い味好きなので、母が作った料理に調味料を大量にかけていて心配になることがあります。
■好みの味の濃さを知ったことによる変化
不満の声が聞こえてくる一方で、味覚嗜好測定キットで自身や身近な人の好みの味の濃さを知ることで、生活の中に変化が表れたという声もありました。あわせて紹介します。
<ラボメンバーによる意見だしの様子(2)>
○自分の好みに気づいて意識が変わった
「薄味好きと出てびっくりしたが、昔外食で味が濃くて嫌になった経験があることを思い出し、納得した。今は外食に行く際により好みの味付けやジャンルを意識してお店を選ぶようになった」
「濃い味好きという結果を見てショックだった。最近忙しくて外食ばかりの自覚はあったが、これをきっかけに食生活を見直したい」
⇒自分のスコアに対する気づきの声が多くありました。好みが可視化されることで、自分に合ったお店選びや理想の食生活への移行を意識したいという声が多く集まりました。
○一緒に暮らす人の健康を意識した味付け
「自分が薄味好きでパートナーが濃い味好きと知り心配になったけど、味覚は変えられると聞いたのでパートナーを薄味好きに変えていこうと工夫するようになった」
⇒好みの味の濃さを知ることで、共に暮らすパートナーの健康を意識するようになったという声もありました。このようにパートナーの食事を心配する声は多く聞こえてきます。
■さまざまな人の声を聞いて
多くの人から、「これまで漠然としか考えていなかった味の濃さの好みについて、可視化されることで新たな発見があり、今まで以上に食事の楽しさを意識できる」という感想をいただきました。自分自身、パートナーなど身近な人の好みを可視化し、より理想的な食生活変えていけるという声もありました。
今まで食事の好みはメニューなどで語られることが多かったですが、味覚嗜好測定キットが示す「好みの味の濃さ」も一つの個性となり、人と人のコミュニケーションの架け橋になっていく未来も近いのでは、と感じました。
今回が味覚研究ラボのコラムの最終回となります。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。味覚嗜好測定キットを皆様の元に届けられる日を目指し、これからも研究を進めていきます。
※味覚嗜好測定キットとは?
味覚開発ラボで開発中の味覚嗜好測定キットは、塩味の異なる5種のポップコーンを食べ、好き嫌いを評価するだけで自分の好みの味の濃さの嗜好性が把握できるツールです。
これを使うことで自分の味の好みを知り、よりマッチした調理や外食につなげることができます。
今は販売していませんが、いずれ実用化できるように、引き続き研究を進めていきます。
<味覚研究ラボの記事一覧>
【味覚研究ラボ#1】 カップ焼きそばが一番おいしくなるソースの量は?味の濃さの好みを知って、食事をもっと楽しもう
【味覚研究ラボ#2】味の濃さの好みを測って自分専用の「つゆの薄め方」を見つけよう
【味覚研究ラボ#3】レストランで「自分専用の味付け」を楽しもう
【味覚研究ラボ#4】サッポロ一番塩ラーメンで実験!自分好みの味の濃さを知って健康的で楽しい食卓につなげよう
【味覚研究ラボ#5】好みの味の濃さを知れば少し幸せになれるかも?実際の声を聴いてみよう
食物アレルギー、ベジタリアン、ヴィーガン、健康上の理由などの
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