牛肉・豚肉・鶏肉などを食べることで発症する肉アレルギー。肉そのものが使用された食品はわかりやすいものの、肉はエキスやパウダーとして調味料、出汁、菓子などに幅広く使用されているため注意が必要です。
牛肉・豚肉・鶏肉のアレルギーは発症数が比較的少なく、肉類すべてが食べられない人はめったにいません。アトピー性皮膚炎かつ多種の食物アレルギーがある人に発症するケースがあり、湿疹などの症状がみられますが、口にしてから短時間で症状があらわれる即時型の反応が起こるのはまれです。
牛肉・豚肉・鶏肉ともに加工食品のアレルギー表示が推奨される食品です。義務ではないため、アレルギー表示されていない場合があります。原材料をチェックし、見落とさないように注意しましょう。
なお、鶏肉アレルギーと鶏卵にもアレルギーは関係ないため、鶏肉が食べられないからといって卵まで除去する必要はありません。
牛肉・豚肉・鶏肉は、ブイヨン、出汁、肉エキス、パウダーなどのはっきりとは見えにくい形でさまざまな料理や食品に使用されています。調味料や菓子、カレールーの原料として使われることが多いため、原材料を必ずチェックしてください。
食品例として、コンソメスープの素やカップラーメンの粉末スープ、ポテトチップスなどがあります。なお、肉エキスや出汁なら食べられる人も多いため、アレルギーのある人は医師に相談し、検査しておくとよいでしょう。
肉が食べられない人は、魚や豆腐からたんぱく質を摂取する必要があります。肉を食べないことでヘム鉄が不足する場合があるため、赤身の魚で補うとよいでしょう。出汁に肉を使えないときは、鰹や昆布などで代用してください。
一方で、肉アレルギーであっても肉エキスや出汁は食べられる人もいるため、必要以上に除去する必要はありません。食事を提供する際には個別に確認をとり、食べられるもの・食べられないものを具体的に把握しておくと、提供できる料理の幅が広がる場合もあります。
マダニにかまれて牛肉や豚肉といった赤肉のアレルギーを発症した事例が報告されています。現在は米国で症例の増加が報告されており、日本ではあまり見られませんが、疑いのある例もなくはありません。
牛などの哺乳類の血を吸い、α-gal(アルファ・ガル)とよばれる糖を体内にとりいれたマダニにかまれると、人の体内で免疫が活性化し、アルファ・ガルに対する抗体がつくられます。これにより、人の体がアルファ・ガルを敵とみなし、肉を受けつけなくなってしまうのです。何度もかまれるとアレルギーの症状が悪化するケースもあります。
夏場はマダニ感染症はもちろん、アルファ・ガルにも気をつけるべく、アウトドアや庭仕事の際には虫対策を徹底するように心がけましょう。
<アレルギー辞書一覧>
食物アレルギー、ベジタリアン、ヴィーガン、健康上の理由などの
お食事制限にスマートに対応する3つのツール