表示義務化が間近!カシューナッツアレルギーの症状・対策・注意すべき食べ物【食物アレルギー辞書】

2025年度中の表示義務化方針が決定!「カシューナッツアレルギー」とは

カシューナッツアレルギーは、ナッツ類(木の実類)のカシューナッツを食べることによって発症するアレルギーです。口の中や唇のかゆみ・腫れ・違和感、めまい、吐き気、腹痛、下痢、蕁麻疹などさまざまな症状を引き起こします。

 

アナフィラキシーや呼吸困難など重篤な症状があらわれる頻度が比較的高いため、アレルギーがある人やその家族、周囲の人は原材料表示を注意深く確かめましょう。

 

消費者庁が令和6年度にまとめた「即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査」では、ナッツ類の中で「くるみ」の次に症例数が多く、割合は前回調査の 2.9%から 4.6%と約 1.6 倍に増加しました。また、アナフィラキシーショックを発症する頻度も非常に高く、6.2%で全体の4位となりました。

 

こうした傾向を踏まえ、2025年1月21日に開催された「食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議」では、2025年度中にカシューナッツを表示義務のある「特定原材料」に追加する方針が決定されました。

 

カシューナッツアレルギーの表示義務化はいつから?

消費者庁の会見では、カシューナッツの表示義務化について「所要の手続きを経て令和7年度中に行いたい」との発言がありました。2025年度中を目標に、すでに進められている公定検査法が開発されることを前提として、義務化の準備が進められています。カシューナッツが追加されると、アレルギー表示が義務付けられている「特定原材料」は現在の8品目から9品目となります。

 

(参考)2025年3月現在の特定原材料等

表示が義務付けられている8品目(特定原材料)

えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生

表示が推奨される20品目(特定原材料に準ずるもの)

アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン

 

カシューナッツアレルギーの診断と治療

カシューナッツアレルギーは、アレルギー専門医などによる問診や皮膚テスト、血液検査などによって診断されます。

 

カシューナッツアレルギーが確認された場合は、カシューナッツを使用した加工品や料理を口に入れないように心がけましょう。治療では、原因食物をとりのぞく「除去食」や、原因食物を少しでも食べられる人が徐々に食べる量を増やしていく「経口免疫療法(減感作療法)」といった方法が選択されます。

 

重篤なアレルギー反応が起こる頻度が比較的高いため、医師の指示に従って自己注射用のエピペン®を携帯し、本人や家族がいつでも使えるようにしておくと安心です。

 

カシューナッツアレルギーの人が注意すべき食べ物

カシューナッツは、中華料理を中心とする炒めもの、和えもの、スパイスカレー、サラダ、チョコレート、パン、ドレッシングなどさまざまな料理や加工食品に使用されています。外見からは判断しづらい場合も多いため、原材料表示をチェックしたり、お店の人に尋ねたりして、正確な情報を確認することが大切です。

カシューナッツアレルギーの人が注意すべき料理や加工食品

・サラダ(野菜サラダ、キャロットラペ、ポテトサラダ、かぼちゃサラダなど)

・炒めもの・和えもの(中華料理でよく使用される)

・カレー

・パスタ

・パン

など

カシューナッツアレルギーの人が注意すべき調味料

・ミックスナッツ

・キャラメルナッツ/黒糖ナッツ/ハニーナッツ

・チョコレート/チョコレートブラウニー

・パウンドケーキ/シフォンケーキ

・クッキー、フィナンシェ、マフィン、ドーナツ等の焼き菓子

など

カシューナッツアレルギーの人が注意すべき料理や加工食品

・ドレッシング

・ソース

など

 

カシューナッツアレルギーの人はピスタチオにも注意

カシューナッツとピスタチオは、同じウルシ科に属する近縁の種にあたり、強い交差抗原性がある(=タンパク質の構造が似ており、原因食物以外でも症状が誘発される可能性がある)ことが知られています。

 

ピスタチオの症例数も近年増加していることから、2025年度中に予定される制度改正では、カシューナッツの表示を義務化すると同時にピスタチオを表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」に加える方針も決定しました。

 

カシューナッツアレルギーの人はピスタチオアレルギーがある可能性も高いため、食事の際には当事者や周囲の人、料理の提供者は十分に注意を払いましょう。

 

カシューナッツアレルギーの人に食事を提供するときの注意点

現在カシューナッツはアレルギー表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」ですが、まだ義務化されていないため、表示されていない食品もあります。

 

また、表示義務化には移行期間があるため、義務化されたからといってすぐにすべての加工品に表示されるわけでありません。義務化された後もアレルギー表示とともに原材料欄を注意深く確認しましょう。

 

なお、カシューナッツだけでなく、ナッツ類全般のアレルギー患者が相当数存在します。カシューナッツアレルギーがある人に料理を提供する際には、ピスタチオなど他のナッツ類のアレルギーについても念入りにチェックする必要があるでしょう。

 

ナッツ類の食品

くるみ、カシューナッツ、アーモンド、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ など

 

<食物アレルギー辞書一覧>

ナッツアレルギー

アーモンドアレルギー

カシューナッツアレルギー

落花生(ピーナッツ)アレルギー

バラ科アレルギー

ウリ科アレルギー

肉(牛肉・豚肉・鶏肉)アレルギー

大豆アレルギー

そばアレルギー

甲殻類(えび・かに)アレルギー

コチニール色素アレルギー

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