大豆は湿疹や口の中のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こすことがあり、アレルギー表示が推奨される食品です。表示義務はないため、アレルギー表示されていない場合があります。多種多様な関連食品があるため、原材料を注意深く確認しましょう。
大豆はアレルギー表示が推奨されている食品の中では比較的患者数が多い食品です。湿疹などの皮膚症状や口の中のかゆみなどがみられますが、アナフィラキシー症状はめったに起こりません。
食事の際には、もやし、枝豆、きなこなどの大豆関連食品に加え、添加物にも注意が必要です。大豆油もNGの人がいるので、揚げ物には気をつけましょう。また、近年では豆乳を飲む人の増加とともに、豆乳のアレルギーになる人が増えてきています。
アレルギーの対象となる食品に気づかず提供してしまう事故事例がみられます。大豆に関わる食品を正確に把握することが大切です。
大豆は関連食品が多いため、見落とさないように注意が必要です。添加物である乳化剤の由来原材料として使用されることもあります。原材料の表示から判断するのが難しい場合は、製造元に確認してください。
<食品例>
・大豆(黄、青、黒など種類がある)
・豆腐、油揚げ、厚揚げ、がんも、おから
・納豆
・きなこ
・豆乳、ゆば
・枝豆、大豆もやし
・みそ、醤油
・調理油(大豆油)
・乳化剤(レシチン)が使用されている食品
なお、醤油や納豆などの発酵した大豆製品は食べられる場合があります。他方で、もやしだけが食べられない人もいます。食べられるもの・食べられないものを具体的に把握しておきましょう。
大豆アレルギーと他の豆類のアレルギーの関係は明確にはわかっていませんが、他の豆類にも反応する人はごくわずかであるため、豆類をまとめて食事から除去する必要はありません。基本的には、大豆以外の豆を代替食品として扱って問題ないでしょう。
あずき、いんげん豆、そら豆、えんどう豆(グリーンピース)、ひよこ豆、レンズ豆、落花生(ピーナッツ)などの他の豆についてアレルギーがあるかどうかを知りたいときは、医師に相談し、検査を受けるなどして調べる必要があります。
大豆アレルギー対策では、大豆関連の食品を正確に把握することがもっとも大切です。大豆関連の食品と知らずに提供してしまったヒヤリハット事例がみられます。また、大豆アレルギーでも人によって食べられるもの・食べられないものが異なるため、できるだけ具体的に確認してください。
料理を提供する際には、他の豆類(グリーンピースなど)や肉・魚(タンパク質源)、菜種油やコーン油、大豆不使用の米味噌や米醤油などを代替品としてメニューを考えるとよいでしょう。
<ヒヤリハット事例>
・大豆アレルギーを申告したが枝豆を提供された
・大豆アレルギーを申告したがもやしを使った料理が提供された
<アレルギー辞書一覧>
食物アレルギー、ベジタリアン、ヴィーガン、健康上の理由などの
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