くるみアレルギーの症状・対策・注意すべき食べ物は?2025年4月から表示義務化!【食物アレルギー辞書】

2025年4月〜表示義務化が完全施行。「くるみアレルギー」とは

くるみアレルギーは、ナッツ類(木の実類)のくるみを食べることによって発症するアレルギーです。口の中や唇のかゆみ・腫れ・違和感、めまい、吐き気、腹痛、じんましんなどさまざまな症状を引き起こします。

 

呼吸困難やアナフィラキシーなど重篤な症状が出る危険性もあるため、くるみアレルギーが判明している人はもちろん、他のナッツ類にアレルギーがある人も注意が必要です。

 

大人よりも子どもに多いアレルギーですが、健康志向の高まりによりナッツ類全般の消費量は増加傾向にあり、くるみアレルギーを発症する人は年齢を問わず急増しています。

 

アレルギー発症例の増加を受け、消費者庁は、「推奨」品目だったくるみの食品アレルギー表示を義務化する方針を決定。2022年12月13日の消費者委員会にて食品表示基準の改正案が了承され、2023年3月9日に公布・施行されました。

 

ただし、「くるみ」の表示義務化には2年間の猶予期間が設けられるため、完全に施行されるのは2025年の4月1日です。速やかに表示を行うように消費者庁は呼びかけていますが、2025年3月31日までに製造される加工食品等には、表示がない場合もあります。

 

関連記事:【アレルギー表示】くるみが特定原材料に!背景と注意点を消費者庁にインタビュー

 

急増するくるみアレルギー患者。ショック症例も多数

消費者庁が令和3年度にまとめた「即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査」では、木の実類が819例と全体の13.5%を占め、鶏卵、牛乳、小麦に次いで4番目に多い品目となりました。中でも「くるみ」に関する報告は463件で、木の実類の 56.5%を占めています。

 

<即時型食物アレルギーの原因食物>

1位

鶏卵

2,028例

33.4%

2位

牛乳

1,131例

18.6%

3位

木の実類

819例

13.5%

4位

小麦

533例

8.8%

5位

落花生

370例

6.1%

 

<ナッツ類内訳>

クルミ

463例

56.5%

カシューナッツ

174例

21.2%

マカダミアナッツ

45例

5.5%

アーモンド

34例

4.2%

ピスタチオ

22例

2.7%

ペカンナッツ

19例

2.3%

ヘーゼルナッツ

17例

2.1%

ココナッツ

8例

1.0%

カカオ

1例

0.1%

クリ

1例

0.1%

松の実

1例

0.1%

ミックス・分類不明

34例

4.2%

合計

819

 

 

また、ショック症状を引き起こした原因食物としてもナッツ類の割合は増加し、鶏卵と牛乳に続いて第3位となりました。ナッツ類の内訳ではクルミが 58 例(全体の8.8%)で最も多い結果となっています。

 

1位

鶏卵

156例

23.6%

2位

牛乳

144例

21.8%

3位

木の実類

115例

17.4%

4位

小麦

98例

14.8%

5位

落花生

46例

7.0%

 

<ナッツ類内訳>

クルミ

58例

50.4%

カシューナッツ

30例

26%

アーモンド

7例

6.1%

ピスタチオ

6例

5.2%

マカダミアナッツ

5例

4.3%

ペカンナッツ

3例

2.6%

ミックス・分類不明

6例

5.2%

合計

115例

 

(出典)令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/assets/food_labeling_cms204_220601_01.pdf

 

くるみアレルギーの表示義務化はいつから?

2022年6月1日の消費者庁の会見では、くるみの表示義務化について具体的な時期に関する言及はなかったものの、「できるだけ早く表示義務化をする」と明言。2022年度中を目標に、制度見直しに向けた手続きを開始する予定であることが示されました。その後、2022年12月13日の消費者委員会にて食品表示基準の改正案が了承され、2023年の4月から表示が義務づけられることになりました

 

ただし、「くるみ」の表示義務化には2年間の経過措置期間が設けられており、完全に義務化されるのは2025年4月です。2025年の3月31月までは、くるみのアレルギー表示がない食品が製造・販売される可能性があります。

 

(参考)

2022年6月1日 伊藤消費者庁長官記者会見要旨
https://www.caa.go.jp/notice/statement/ito/029005.html

2022年12月13日 食品表示基準の一部改正に係る答申書
https://www.cao.go.jp/consumer/content/20221213_toshin2_betsu.pdf

 

くるみが追加されると、加工食品のアレルギー表示が義務付けられている食材は現在の7品目から8品目となります。

 

<2022年6月現在の特定原材料等>

表示が義務付けられている7品目(特定原材料)

えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生

表示が推奨される21品目(特定原材料に準ずるもの)

アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

 

くるみアレルギーの人が注意すべき食べ物

くるみは、和菓子、洋菓子、味噌、パン、ドレッシングなどさまざまな加工品に使用されています。製品の外見からは判断しづらい場合も多いため、原材料表示を必ず確認しましょう。過去のアレルギー事故例にはサラダを食べたところ、胡麻ドレッシングにクルミが使用されていたため発症した」というものがあります。

くるみアレルギーの人が注意すべきお菓子

・ミックスナッツ

・くるみパン

・くるみ餅

・くるみゆべし

・饅頭

・もなか

・羊羹

・クッキー

・フィナンシェ

・パウンドケーキ

・マフィン

・チョコレートブラウニー

・クランチチョコレート

・ドーナツ

など

くるみアレルギーの人が注意すべき調味料

・ドレッシング

・味噌

・そばつゆ

・食用油(くるみオイル)

など

くるみアレルギーの人が注意すべき料理や加工食品

・サラダ(野菜サラダ、キャロットラペ、ポテトサラダなど)

・和えもの

・パスタ

きな粉

など

 

くるみアレルギーの人に食事を提供するときの注意点

くるみアレルギーは食品表示が推奨されていますが、まだ義務化されていないため、表示されていない食品もあります。原材料欄を注意深く確認しましょう。

 

なお、くるみに限らず、ナッツ類全般のアレルギー患者が相当数存在します。くるみ以外の木の実類も確認することが、双方の安心安全につながります。

ナッツ類の食品

カシューナッツ、アーモンド、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ など

 

<アレルギー辞書一覧>

ナッツアレルギー

アーモンドアレルギー

落花生(ピーナッツ)アレルギー

バラ科アレルギー

ウリ科アレルギー

肉(牛肉・豚肉・鶏肉)アレルギー

大豆アレルギー

そばアレルギー

甲殻類(えび・かに)アレルギー

コチニール色素アレルギー

 

 

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